をのこ草子は著者不明、成立年不明で原本は存在しないという幻の書物です。
興味深いのは俗にいう「預言書」ではなく「草子」というところです。
「草子」というのは日記や物語などのことであり、ノストラダムスなどの「預言書」とは形式が違います。
をのこ草子は1730年ごろに書かれたものではないかと考えられていますが、注目されたのは1936年（昭和11年）が最初です神道霊学研究社で神道天行居合（しんどうてんこうきょ）の創始者でもある友清歓真（ともきよよしさね）が著書の神道古義地之巻の中で『をのこ草子』に書かれていた預言について言及したことで注目を集めました。
今より250年を経て、世の様変わり果てなむ
をのこ草子には「今より250年を経て、世の様変わり果てなむ」と書かれていたが、正確な成立年がわからないため250年後がいつのことをさしているのか不明ですが、1730年ごろだとすれば1980年ごろ。幅をもたせると昭和初期から現代までのことをさしているといわれています。
をのこ草子の中で特に印象的な預言を紹介していきます。
切支丹の法いよいよ盛んになりて、空を飛ぶ人も現はれ、地をくぐる人もあるべし
「切支丹の法」というのは日本の西洋化のことだと考えられますね。
「空を飛ぶ人も現れ」というのは飛行機のことで、「地をくぐる人もあるべし」というのは地下鉄や地下街などのことだと考えられます。
空を飛ぶということは鳥が空を飛ぶことからのあこがれということも考えられますが、地をくぐるというのは当時の常識や科学知識からは想像もできないようなものではないでしょうか。
また、1730年当時は鎖国が行われていたので切支丹の法（キリスト教、西洋化）が広まっていくということは小説（草子）としても予想もできないものであったのではないでしょうか。
風雨を駈り、雷電を役する物もあらん
「風雨を駈り、雷電を役する物もあらん」というのは気象を操るというものであり、これは米軍の高周波活性オーロラ調査プログラム（HAARP）のことだと考えられています。
死したるを起こす術も成りなん
AEDなどの電気ショックを使った医術や臓器移植やクローン技術などのことを示していると解釈できます。
男は髪を伸ばして軟弱になり、女は短髪にして袖のない服をまとっては、みだらに振る舞う
「男は髪を伸ばして軟弱になり」これは当時の男性と比べると髪も伸びていますし軟弱ですね。
「女は短髪にして袖のない服をまとっては、みだらに振る舞う」これも当時の女性と比べると髪は短くなっていますし、袖のない服というのも当時の常識からしたら考えられないものであったでしょう。当時の感覚からしたら、現代女性のノースリーブやキャミソール、タンクトップ、もしかしたらＴシャツ姿もみだらといわれてしまうかもしれませんね。
当時の常識からかけ離れた内容はまさに預言
『をのこ草子』に書かれている内容はフィクションであったとしたらものすごい想像力をもって書かれていますし、内容がここまで当たっていると預言書と言わざるを得ないでしょう。
ここまで紹介してきた内容はすでに起きているものでした。
しかしこれら以外に注目せざるを得ない内容の預言もあります。
斯くて、いよいよ衰え行きぬる其の果てに、地、水、火、風の大なる災い起りて、世の人。十が五は亡び、異国の軍させ攻め来りなむ
現代文として解釈するならば、社会が衰退していき地、水、火、風に関する大災害が起きて日本人の5割が亡くなり、外国の軍隊が攻めてくる。このように解釈することができます。「地、水、火、風の大なる災い」というのは地震、洪水、津波、火災、噴火、台風などの自然災害だと思われますが、「世の人。十が五は亡び」という日本人の5割が亡くなるというような未曾有の大災害はまだ起こっていません。
富士山の噴火や南海トラフ、それに伴い津波など複合的な大災害が起こることを『をのこ草子』は預言しているのでしょうか。
また、日本人の5割が亡くなるような未曾有の大災害が起きた時に、日本に外国の軍隊が侵略してくるということも預言しています。
斯の時、神の如き大君、世に出で給い
大災害で日本人の5割が亡くなり、外国の軍隊が攻め込んできたときに神の如き大君（指導者）があらわれ最終的に日本人は助かるということを示しています。
其の間、世の人狂い苦しむこと百年に及ぶべし
前述の神の如き指導者が現れ、日本人が救われるまでにおよそ100年かかると預言しています。
をのこ草子は預言書なのか
『をのこ草子』は著者、成立年が不明で現物も存在しないため、捏造されたものであるという可能性もあります。
ノストラダムスの大予言に日本中が熱狂したように日本人は預言が大好きなので、『をのこ草子』も研究が進むといいですね。
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