中学2年生の頃の話です。親の仕事の都合で引っ越すことになり、新居で新しい生活を始めることになりました。引越して初日の夜、就寝後に金縛りに遭ってしまったのです。
突然の出来事に何もできず、全身からどっと汗が吹き出したのを覚えています。金縛りは初めての経験で、どうしていいのかわからず頭の中はパニック状態です。体が動かない状態で10分ほど経った頃、何かに首を絞められていく感覚に陥りました。
首を絞めていく力が徐々に強くなり、怖くて何も考えられませんでした。そのうち息ができなくなり、酸欠で意識が遠のいていき、気絶するように眠ってしまったのです。
朝起きたときにはパジャマが汗でぐっしょりと濡れ、ベッドのシーツには汗が染みついていました。「ただの夢だったのかな」とホッとしてリビングに行くと、母親に驚かれながら「その首どうしたの?」と聞かれたのです。私は慌てて洗面台に行き、自分の姿を鏡で確認したところ、首にはくっきりと手の跡が残っていました。かなり強い力で絞められたようで、首がうっ血した状態になっていたのです。
夢だと思っていたことが、実際に起きた出来事だとわかり、心の底からゾッとしました。両親に自分の身に起こった出来事を話したところ、「やっぱり別の家にした方が良かったのか」という答えが返ってきました。どういうことなのか問い詰めると、実は引っ越し先の家は、前の住人が自殺した事故物件なんだそうです。「気持ちが悪いからすぐに引っ越そう!」と両親にお願いしましたが、仕事の都合や費用の面で問題があるからと断られました。事故物件で暮らすことになり、毎日不安で堪りませんでした。
しかし、心霊現象は引っ越し初日のみで、その後は一切霊の被害に遭うことはなかったのです。あの夜の出来事は、今でも答えはわかりません。ただ、あの家での体験は私にとって忘れられない記憶として心に刻まれています。
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