トランプ政権のUAP情報開示「PURSUE」とは ― 機密ファイルが暴いた謎の物体たち

陰謀論

UFO、あるいはUAP(未確認異常現象)をめぐって、いまアメリカで前例のない出来事が進行している。トランプ政権の指示のもと、アメリカ国防総省が長年秘匿してきたUFO関連の機密文書を、段階的かつ継続的に一般公開しているのだ。2025年2月に始まったこの動きは、2026年に入ってさらに加速している。今回は、この「ディスクロージャー(情報開示)」の現在地を追ってみたい。

「国防総省」から「戦争省」へ ― 前例なき情報開示プログラム

2025年2月、トランプ大統領は「米国民の多大な関心」を理由に、UAPに関する記録の公開を国防総省に指示した。この指示を受けて始動したのが「PURSUE(Presidential Unsealing and Reporting System for UAP Encounters)」と名付けられた取り組みだ。同省はこの計画を「未解決事案の政府記録を大規模に発見・審査・解除・公開する、前例のない歴史的な取り組み」と説明している。

なお、同省は現在「Department of War(戦争省)」という名称も用いており、公開窓口となるサイト「war.gov/ufo」は、開設からのアクセス数が17億回を超えたと報じられている。

段階的に公開される機密ファイル ― 1948年の報告書からアポロ11号まで

2026年5月8日の「Release 01」では、160点を超える機密解除文書が公開された。その中には、1948年11月付のアメリカ空軍情報部の報告書があり、ヨーロッパ上空で繰り返し観測された現象について「無視することはできない」「高度な技術力を示唆する」と記されていたという。さらに、アポロ11号の飛行士バズ・オルドリンによる、月へ向かう途中で目撃した物体や説明のつかない光に関する報告メモ、1955年にリチャード・ラッセル上院議員とアメリカ軍関係者がソ連で目撃したとされる事案なども含まれていた。

ジンバブエの円盤、ロスアラモスの「緑の火球」

その後も公開は続き、6月12日の「Release 03」では、2008年にジンバブエのハラレ国際空港上空で観測された円盤状の物体(外国政府の偵察機か、それとも別の何かかで議論になった事案)や、2024年にコロラドスプリングスで撮影された「ジャガイモのような形状」の物体(分析では低い雲に反射した光の可能性が指摘されている)などが公開された。

7月10日の「Release 04」では、1949年2月に物理学者エドワード・テラーらが招集したロスアラモス会議の議事録全文が公開されている。そこには、いわゆる「緑の火球」の目撃報告について、水平に移動する軌道と、通常なら発生するはずの轟音がなかったことが「説明不可能なままだった」と記録されていた。また、2015年にはアメリカの核関連施設「パンテックス・プラント」付近で、音もなく推進機構も確認できない物体を警備要員が追跡したとする報告書も含まれている。

「驚くべきものはない」のか、「謎の物体」なのか

もっとも、公開された資料すべてが衝撃的な内容というわけではない。懐疑的な立場で知られる研究者ミック・ウェスト氏は、一連の映像について「46本の動画が公開されたが、これといって驚くようなものはなかった」と評しており、多くはスカイランタンの誤認など、説明のつく事例だったとされる。

一方で2026年6月、ハーバード大学の天体物理学者アビ・ローブ氏が、政権が新設した「UAP科学諮問委員会」のアドバイザーに任命された。「オウムアムア」を地球外文明の探査機ではないかと主張してきたことで知られる同氏は、公開されたファイル群について「謎の物体が実際に目撃されてきたことに疑いの余地はない」と述べ、良質なデータさえあればこの問題は解決可能だとの立場を示している。

オカルト研究室室長の考察

数百件規模で公開され続ける文書の大半は、既存の技術や自然現象、あるいは光の誤認で説明がついてしまう——それが現在までの実情のようだ。しかし、その中にごくわずかとはいえ「説明のつかない事例」が確かに存在し続けているのも事実である。

政府自らが公開に踏み切ったという事実そのものが、これまでの陰謀論を裏付けるものなのか、それとも単なる情報公開の一環に過ぎないのか。今後も数週間おきに続くとされるこの公開の行方を、引き続き見守っていきたい。

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