学問の神様として知られる菅原道真公は怨霊として恐れられていた

闇の歴史

怨霊となってしまったがために人々から恐れられ、逆に「神」として祀られるようになった人物としては崇徳天皇が有名だが、学問の神様として多くの受験生がお参りする菅原道真公、いわゆる天神様も恐れられたため神として祀られた存在です。

都から九州の太宰府に流された菅原道真公の怨念はすさまじく、雷となって宮中に落ちたと伝えられている。菅原道真公がどれほど恐れられていたかを示すデータの一つが菅原道真公を祀った天神社の数があげられる。

京都府上京区馬喰町には菅原道真公を祭神とする北野天満宮があるが、この北野天満宮は全国で4,000もの末社をもっている。現在では学問の神様=菅原道真公としての知名度が高いため、怨霊として恐れられていたということは不思議に思われるかもしれない。

しかし全国に4,000もの末社をもつということがわかるように、当時の人々がそれだけ菅原道真公の怨霊を恐れていた証明ともいえる。菅原道真公は実在の人物でありながら、死後は天変地異を司る怨霊『天神』になったのである。

菅原道真公が怨霊となるまで

30歳のときに従五位下兵部少輔として出世の道を歩み始めた菅原道真公は讃岐守を経て蔵人頭に任命されたのは48歳の時だった。このとき菅原道真公の後ろ盾となったのは、藤原氏の専横に嫌気がさし、天皇親政を推し進めたいと考える宇多天皇だった。

しかし、菅原道真公は右大臣に昇進したのちに宇多天皇が退位すると菅原道真公を快く思っていなかった藤原氏が醍醐天皇にたいして菅原道真公を貶めるように動いたため失脚し、九州の太宰府に左遷されてしまい、2年間にわたって幽閉にも等しい生活を送った菅原道真公は都に戻ることは叶わず悶死してしまう。

そして怨霊『天神』となった菅原道真公は都への復讐を開始するのである。

醍醐天皇が恐れた天神様

菅原道真公没後の延喜3年(903年)から翌年にかけて、都では大雨と落雷が続いた。さらに延喜8年(908年)には藤原菅根が雷雨の中で変死してしまう。そしてその翌年には左大臣藤原時平が、その4年後には右大臣源光も変死してしまう。菅原道真公の失脚にかかわった人物の相次ぐ変死に、菅原道真公を左遷を実行した醍醐天皇は大変に恐れて菅原道真公の怒りを鎮めようと僧侶に祈祷を行わせるとともに、正二位の位まで贈っている。しかし、その後も藤原時平の娘と妹が生んだ親王はそれぞれ幼くして亡くなるなど、菅原道真公の怒りは一向におさまらず都の人々の間でも恐怖心が高まっていった。

延長8年(930年)6月26日決定的な大事件が起きた。京都・清涼殿に落雷があり、藤原清貫、平希世ら多数の公卿が焼死するという大惨事が起こり、あまりのショックと菅原道真公の怨霊に対する恐怖のあまり醍醐天皇も3ヶ月後に崩じてしまった。

菅原道真公は荒ぶる神『天神』となり、都に災いをもたらす復讐の神となり、その力の前に朝廷には抑える術がなかった。

菅原道真公が天神さまとなる

復讐の神となった菅原道真公の前になす術もなかったが、天慶5年(942年)、右京七条に住む多治比文子という少女に託宣が下り、その5年後には近江国の神官の幼児にも同じように託宣が下ったことから天歴元年(947年)に北野の地に菅原道真公を祀る社殿が造営された。そして永延元年(987年)には一条天皇から「北野天満宮天神」という名前が送られ、人々から天神様と呼ばれるようになった。

さらに正暦4年(993年)には正一位・右大臣・太政大臣という最高位の位も追贈された。こうしたことで長らく続いた菅原道真公の怨霊はようやくおさまったのである。

菅原道真公が学問の神様として民衆から信仰を集めたのは江戸時代にに入ってからであり、菅原道真公の本質はあくまで怨霊であり、調停にとっては畏怖の対象であった。



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