似て非なる存在?幽霊と妖怪
幽霊と妖怪は恐ろしく、禍々しいものとして古来より人々に恐れられる存在であるが、『幽霊』と『妖怪』とそれぞれ呼び名が違うように別のものであると考えられる。
『幽霊』と『妖怪』という呼び名はどちらも中国に端を発しているようである。『幽霊』と『妖怪』では『妖怪』の方が先にかかれており、『妖怪』は1世紀始め「漢書 循史伝(じゅんしでん)」で「宮中ニシバシバ妖怪アリ」と記述されている。ここでいう『妖怪』というのは怪奇現象に対する名称として『妖怪』という名が用いられたようであり、宮中に災厄が続いたものと考えられている。
『幽霊』は5世紀頃の「後漢書 橋玄伝(きょうげんでん)」に「幽霊ハ翳(かげ)ニ潜ム」と記述されている。「翳(かげ)」とは目には見えぬ部分を指し、ここでの『幽霊』とは人の死後の霊魂を称している。
『幽霊』とは現世に縛られた霊魂
このように中国で成立された幽霊と妖怪の呼び名・意味は仏教伝来後の日本にも伝わり、奈良・平安時代に日本独自の『幽霊』、『妖怪』が形成された。『幽霊』の代表格といえば「四谷怪談」の「お岩」や「番長皿屋敷」の「お菊」などに見られるように、幽霊は生前の人の姿で現れることが多く、すでに死んでいるものこそが『幽霊』とされる。
幽霊は主に怨み未練などにより、現世に縛られた霊魂のことを示すものであると考えられています。また、幽霊は超自然的な存在であり、通常、亡くなった人の実体のない霊、特に安らぎを得られなかった人、死後の世界へ渡ることができなかった人と考えられているものでもあります。影や幻影のようなもので目撃者の中には、良性の異世界の存在を報告する人もいますが、こうした古代の霊的訪問は、恐ろしい祟りや超常現象の原因ともなっています。文化によって、幽霊は悪意あるものとして見られることもあれば、善意ある家族の守護者として報告され、やがて平穏を取り戻し、消えていくこともあります。幽霊は人それぞれで、生きている間の生活によって能力や特徴が異なると信じられています。
『妖怪』とは現象から生まれた自然神
『妖怪』はその成り立ちが「現象」であり、「現象」に対して形作られていくその姿を見ると、妖怪には動物、植物、道具に魂が宿った物も多く、生きる存在であるという点も幽霊とは決定的に違う点として挙げられる。同時に見えぬ禍を恐れ、畏敬の念が『妖怪』を生み出しているのかもしれない。
現象から生まれた自然神であり、「物」に魂が宿る姿は「九十九神」でもある。『妖怪』のすべてをひとつに分類するのは困難だが、多様な『妖怪』は神に近い存在なのかもしれない。
また、妖怪とは、人や場所、物に取り憑く能力を持つ幽霊のような存在、または超自然的な存在と言われています。物や環境を操作してその存在を示すことが多く、目撃した人は恐怖やパニックを感じます。妖怪は地域によって大きく異なるりますが多くの場合、恐ろしく強烈で邪悪な存在であります。妖怪は、死後の世界と祟りの世界の2種類に分類されることがある。死後の世界とは、悲劇や不慮の事故で亡くなった人のことを指し、祟りとは、怒りや憎しみのループが何世紀にもわたってその人、その場所、その物に祟り続けることを指します。妖怪は、その種類にかかわらず、周囲に恐怖と不安をもたらす。
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