私が通っていた中学校で友人から聞いた話です。この怪談話は友人間では「北京原人の呪い」と言われていました。それをお話しします。
この中学校では、校舎の建て替えのために、古い校舎を壊したことがありました。隣の土地まで敷地を拡げて、大々的に校舎を新築する、大規模な工事だったようです。その工事で土地を掘り返した時、大昔の遺跡が出てきたそうです。
遺跡発掘調査が始まったため、工事は一時中断。二~三か月、工期が遅れて校舎は完成したそうです。発掘調査の結果、それなりに昔の遺跡だったそうですが、中学生の間では、勝手に北京原人の遺跡じゃね?と盛り上がっていました。
新しい校舎での生活が始まったころ、転校生の女の子がやってきました。その女の子は、とても勉強ができる子で、みんなもすごい奴が転校してきたと騒動になりました。そ
の天才少女は、霊感も強いらしく、普通の人が見えないものが見えて困るということを、まわりにもらしていました。勉強ができる少女の言うことなので、霊が見えるのも説得力があって、みんなビビっていました。ある時、その天才少女が、新しい校舎の女子トイレで、背筋が凍るぐらいのイヤな霊気を感じると言い出しました。よく話を聞いてみると、昔の原人みたいな霊が、おぼろげながら、見えるというのです。
さすがに、それにはまわりも半信半疑な状況が続きました。それから、しばらくすると、その天才少女が学校に来なくなったのです。いわゆる不登校です。
天才少女が学校に来なくなるぐらいのヤバいやつが校舎にとりついているのかと、中学生の間で話題になりました。こうなってくると、真偽を確かめたくなるのが、ヤンチャな連中です。
いわゆるスケバン連中が面白半分で調べてみようとなりました。文化祭などの準備で、夕方遅くまで残っている時間帯に、そのトイレに入って、様子を見ていたそうです。特に何事もなく、トイレからでてきたときに、その場にいた女子全員が戦慄することが起こったそうです。
そのトイレから出てきた一人の女の子の背中や腰からスカートにかけて、真っ赤に染まっていたそうです。みんなビビりまくって、その場から逃げ出したそうです。その事件は、先生方の耳にも入り、そのトイレは封鎖され、しっかりと神主さんを呼んで、お祓いをしてもらったそうです。それからは、大々的な事件は起きなくなったそうですが、小さなことはちょいちょいあったらしいです。トイレの花子さんならぬ、トイレの原人さんという話でした。
オカルト研究室室長の考察
コメディのようなタイトルになってしまいましたが原人の霊というのは珍しいかと思います。
まず年月を経ることで風化していくこと。次に原人の時代が文化・社会的に恨みや事件となるようなことがあったのかということです。
可能性があるとすれば原人にとって神聖な場所(聖地)であり、その場所をないがしろにするような行為をしていたなどの理由ならば原人の霊が出てきて聖地を守ろうとしているのかと思いました。
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