私が通っていた小学校には、放課後の音楽室から不気味な音がしたり、音楽室のドアが勝手に開閉したりするなど、音楽室にまつわる不思議な噂がありました。いったい、誰が言い出したのかはわかりませんが、その噂はもはや小学校の怪談として有名でした。
当時、音楽室は校舎の3階にあり、音楽の授業中以外は鍵がかかっていました。そんな噂があるからか、時折、通りかかるとなんとも不気味な、ひんやりする感覚がしたことを覚えています。
ある日のこと、私は体育祭の練習で学校に残っていました。練習が終わり帰ろうとしたとき、友達が教室に忘れものをしていることに気がつきました。私はしぶしぶ、友達と一緒に静まりかえった校舎へ向かうことに。
職員室で先生に教室のカギを借りて自分たちの教室がある4階まで足早に歩を進めました。3階まで階段を登ったときです。
音楽室からピアノの音が聞こえたのです。友達と顔を見合わせ、恐怖におののきながらも「気のせいだよね」そんな会話を交わしながら4階へと急ごうとしたそのときです。「ポロン」と、はっきりとピアノの音が聞こえたのです。音楽室どころか校舎には誰もいないはず。「きゃーっ」怖くて怖くて、友達と一目散で1階まで猛ダッシュしました。
職員室に戻り、教室のカギを返すとき先生に恐る恐る聞いてみました。「いま、音楽室に誰かいますか」先生は、鍵のかかっているボードを見渡して「いや、いないよ。だって鍵ここにあるもん」と。私と友達は無言になりました。あの時の音楽室の出来事は、今でも思い出すとゾッとしますし、私の記憶にくっきりと残っています。
オカルト研究室室長の考察
音楽室でひとりでに鳴るピアノというのはもはや定番中の定番とも言えますよね。かつては背景には「コンクールに向けていて頑張っていたが報われなかった」などがあることが多かったのですが、今ではあまりそういったことがなくただ音がするだけといったように時代とともに変化している。もしくはそういった背景が忘れられてきたという印象があります。
オカルト肯定的な意見としてはそういった無念さを持ちながら忘れられてしまった悲しさから、気がついてほしくてピアノを鳴らしたり、ドアを開け閉めしているのかもしれませんね。
いっぽう、否定的な意見としては集団パニックのようなものかもしれませんね。
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