これは実際に僕が通っていた学校の話です。この学校は創立が古く、元々の怪談や噂が絶えない場所でした。その中でも特に有名な話が、体育館の裏にある「赤い靴」の話です。
ある日、体育の授業中にクラスメイトの一人が体育館の裏にある木の下で赤い靴を見つけました。靴は新品のように見え、誰のものか分からず、みんなは興味を持ちました。「履いてみろよ!」という声が上がり、ついにその靴を履いたのは、クラスの中で一番勇敢な男の子でした。
彼が靴を履くと、急に周りの空気が変わったように感じました。彼は何かに取り憑かれたかのように、笑いながら走り出しました。最初は楽しく遊んでいたものの、次第に彼の様子が変わっていきました。目が虚ろになり、彼は誰かと話しているかのように見えました。
友達が心配して近づくと、彼は「靴の持ち主が帰ってこないと、俺はずっとここにいる」と言いました。その瞬間、周囲の空気が一層重くなり、クラスメイトたちは恐怖を感じました。誰もが靴を脱がせようとしましたが、彼は絶対に靴を脱ごうとしませんでした。
そして彼は体育館の裏に向かって走り出しました。友達たちは必死に引き止めましたが、彼は「靴を返さなきゃ!あの子が待ってる!」などと叫びながら消えていきました。
翌日、学校中が騒然としました。彼は一時行方不明になり、数時間後に近くの公園で見つかりました。靴は履いておらず、彼は「何が起こったのか、全然覚えていない」と言いました。それ以来、赤い靴の話は学校の怪談として語り継がれています。
時折、体育館の裏から子供の笑い声が聞こえることがあると噂されており、今でもその靴の持ち主が帰ってくるのを待っているのではないかと言われています。学校の生徒たちは、決してその場所に近づかないことを心に誓いました。
オカルト研究室室長の考察
身に着けた人が精神に異常を起こす類の怪談ですね。
赤い靴を履けたので怪異の元凶と同じくらいの年齢ということが考えられますね。また、靴に対して「古いデザイン」などの印象がなく、違和感がなかったことから比較的最近起きた事故等によるものなのではないでしょうか。
タイプとしては復讐などの負のエネルギーによるものではなく、寂しいといったものが影響しているような気はします。
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