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埼玉県定峰峠の怪 ― 頭文字Dの聖地に伝わる白いワンピースの女

埼玉県秩父市と東秩父村の境に位置する「定峰峠」。標高613メートル、くねくねと曲がりくねった峠道は、日中はロードバイク乗りたちに愛される人気コースでありながら、夜になると県内屈指の心霊スポットとして語られる、まったく別の顔を見せる。今回はこの定峰峠にまつわる噂と、その由来について追ってみたい。

走り屋とロードバイカーに愛される峠道

定峰峠が通る埼玉県道11号熊谷小川秩父線は、峠道を舞台にしたカーレース漫画・アニメ「頭文字D」の聖地巡礼スポットとしても知られており、全国からファンが訪れる場所となっている。実際、この峠道はかつて夜な夜な走り屋たちが集うコースとしても知られ、心霊にまつわる噂の多くも、こうした走り屋たちのコミュニティの中から広まっていったとされている。

白いワンピースの女性の霊 ― 噂の始まりは30年ほど前から

定峰峠にまつわる噂として特によく語られているのが、「白いワンピースを着た女性の霊が道路脇に立っている」というものだ。この目撃談を投稿したある人物によれば、今からおよそ30年前、県道のカーブにある杉林のあたりでこの姿を見かけ、当時走り屋たちの間で大きな騒ぎになったという。峠道特有の暗さと見通しの悪さ、そして深夜という時間帯が重なり、こうした噂が生まれやすい土壌があったのかもしれない。

似た噂を持つ、もう一つの峠「顔振峠」

興味深いことに、埼玉県飯能市にある「顔振峠」でも、まったく同じように白いワンピースの女性の霊が目撃されているという噂が存在する。峠という共通の立地、そして走り屋文化という共通の背景を考えると、どちらかの峠で生まれた噂が、もう一方の峠にも伝播していった可能性は十分に考えられる。

ストリートビューに写った謎の赤いシミ

定峰峠にまつわる噂の中には、インターネット地図サービスのストリートビューを使ったものもある。ある人物が定峰峠周辺をストリートビューで確認していたところ、画像の読み込みが粗い段階では山側に赤いシミのようなものが確認できたが、画像が鮮明に表示されるとそのシミは消えていたという。原因は分からないままだが、こうした「デジタル時代ならでは」の怪異が語られるようになったのも、この峠らしい話といえるだろう。

オカルト研究室室長の考察

昼はロードバイクの快走ルートとして、夜は走り屋たちの伝説の舞台として、そして今はアニメファンの聖地として——定峰峠は、時間帯や訪れる人によってまったく異なる表情を見せる場所だ。心霊の噂もまた、そうした峠道特有の非日常的な空気が生み出した、いわば「夜の顔」の一つなのかもしれない。訪れる際は、昼夜を問わずカーブの多い山道であることを忘れず、安全運転を心がけてほしい。

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