
聖書の予兆?ロシアを襲った数百万匹のバッタ、『十の災い』の再来か
2026年8月5日、ロシア南部のダゲスタン共和国で、数百万匹ものバッタが空を埋め尽くすように押し寄せる映像がSNSに投稿され、大きな話題となった。この光景があまりに聖書の一場面を思わせることから、ネット上では「まるで終末の予兆だ」という声も上がっている。今回はこのバッタ大群の正体と、旧約聖書との奇妙な符合について紹介したい。
道路を包囲した、数百万匹のバッタ
投稿された動画には、道路を走る車両を取り囲むようにして押し寄せるバッタの大群の姿が記録されており、再生回数は9万回を超えたという。空を覆い尽くすほどの規模となったこの大群は、周辺の貴重な農地にも甚大な被害をもたらしたと伝えられている。
旧約聖書「十の災い」との奇妙な符合
この光景がインターネット上で大きな反響を呼んだ理由の一つが、旧約聖書「出エジプト記」に記された「十の災い」との類似性だ。古代エジプトに下されたとされるこの十の災いのうち、8番目に挙げられているのが「バッタの大群が空を覆い尽くす」というものだった。この記述とあまりにも重なる映像を目の当たりにしたSNSユーザーたちからは、「まるで聖書の世界みたいだ」といった声が数多く上がり、終末的な警告として受け止める向きもあったという。
科学が説明する「相変異」というメカニズム
もっとも、専門家はこの現象について、聖書的な予兆としてではなく、「相変異」と呼ばれる生物学的なメカニズムによって説明している。バッタは通常、単独で行動する「孤独相」の状態で生活しているが、食料不足などをきっかけに個体同士が密集すると、互いの脚が触れ合う刺激によって体内のセロトニンの分泌が増加し、「群生相」と呼ばれる状態へと変化するという。この状態になると、体色が黒や黄色へと変わるだけでなく、性質そのものが攻撃的になり、共食いを避けるように群れをなして長距離を移動しながら、行く先々の農作物を食い荒らしていくのだという。干ばつなどの気候変動によって限られた食料に個体が集中しやすくなることが、こうした大発生の引き金になると考えられている。
世界各地で繰り返されてきた「蝗害」
実はこうしたバッタの大発生は、決して珍しい現象ではない。2020年前後には、東アフリカから中東、インドにかけての広い地域で、サバクトビバッタによる大規模な蝗害(こうがい)が発生し、国際機関が農業被害への警戒を呼びかける事態になったこともある。歴史をさかのぼれば、日本でも江戸時代から明治にかけて、北海道の開拓地でバッタの大群による深刻な農業被害が記録されており、決して聖書の世界だけの出来事ではないのだ。
オカルト研究室室長の考察
科学的には体内物質の変化という、いたって現実的なメカニズムで説明のつく現象だとしても、空を埋め尽くすバッタの大群という光景そのものが持つ迫力は、数千年前に記された聖書の記述と重なり合うだけの説得力を、今なお失っていないということなのだろう。自然現象への理解が進んだ現代にあってもなお、古い物語が新しい出来事と結びつけて語られ続けるのは、人が持つ想像力の豊かさゆえなのかもしれない。








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