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JFK暗殺と機密文書公開の真相

JFK暗殺と機密文書公開の真相|2025年の「全面公開」でも消えない疑念

1963年11月22日、テキサス州ダラス。パレードの車列の中で、アメリカ大統領ジョン・F・ケネディが銃撃されて命を落とした。逮捕された容疑者は2日後に生中継のカメラの前で射殺され、事件の真相を問う声は60年以上たった今も途切れていない。JFK暗殺は、現代アメリカ最大の陰謀論の源流とされる。2025年には大量の機密文書が公開されたが、それで疑念は晴れたのだろうか。確認できる事実と諸説を、分けて整理してみたい。

確定している事実と、2つの公式調査

事件の骨格は記録に残っている。逮捕されたのはリー・ハーヴェイ・オズワルド(当時24歳)で、2日後の11月24日、移送中にジャック・ルビーに撃たれて死亡した。ジョンソン大統領が設置したウォーレン委員会は、1964年9月に888ページの報告書を提出し、オズワルドが教科書倉庫の窓から単独で撃ったと結論づけ、国内外の陰謀に加わった証拠はないとした。ところが1979年、下院暗殺問題特別委員会(HSCA)は「陰謀の結果として暗殺された可能性が高い」という正反対の見解を示した。ただし、もう一人の射手が誰なのか、陰謀の範囲はどこまでなのかは特定できなかったと、報告書自身が認めている。

「95%」の音響証拠はなぜ覆ったのか

HSCAが陰謀説の根拠にしたのは、当時の警察無線に残された録音の音響分析だった。分析では、道路脇の芝生の丘からも銃声があった確率を約95%と見積もっている。しかし1982年、米国学術研究会議の委員会は、問題の衝撃音が狙撃の約1分後、つまり車列が現場を離れた後に録音されたものだとして、音響データは第二の射手を支持しないと結論した。これに先立つ1980年には、FBIも音響の根拠は科学的に立証されないとする報告を公表している。もっとも、後年この反論に異議を唱える研究者もおり、論争は完全には終わっていない。

語られ続ける諸説

これ以外にも、さまざまな説が語られてきた。喉を貫いた弾丸がコナリー知事の負傷も引き起こしたとする「単一弾丸説」への疑問、CIAやマフィア、キューバ関係者の関与を疑う説などである。ただしHSCAは、ソ連やキューバの政府、CIAやFBIなどの機関が組織として関与した証拠はないと結論づけている。いずれの説も、特定の個人や機関を犯人と断定できるだけの確かな証拠は示されておらず、本稿でもそうした断定は避けたい。

25年ルールと、2025年の大量公開

1992年に成立したJFK記録収集法は、関連文書を原則として25年以内、つまり2017年10月までに公開するよう定めた。映画『JFK』(1991年)がきっかけの一つと言われるが、直接の原因かどうかは断定できない。2017年にはトランプ大統領(第1期)が一部を公開しつつ、機関側の求めに応じて一部の公開を延期した。その後、バイデン政権下で公開が進み、2025年1月、トランプ大統領は再び大統領令で残りの公開を命じる。同年3月から国立公文書館が大規模な公開を始め、その規模はおよそ8万ページとも報じられた(数字は集計によって異なる)。

公開された文書に書かれていたこと

AP通信によれば、初期に公開された文書の中に、第二の狙撃手の存在を示すものは確認されなかったという。以前に墨消しつきで出ていた内容も多く、歴史家からは「決定的な新事実はない」との見方が示された。一方で、事件の2か月ほど前にオズワルドがメキシコシティを訪れた際、CIAが彼やソ連大使館とのやり取りを監視していたことなど、当時の諜報活動の細部は新たに見えてきたと報じられている。監視していたことと、暗殺に関与したことは別の問題であり、文書がCIAの関与を示したとは報じられていない。なお、存命の遺族や関係者の個人情報への配慮が求められる点や、公開が政治的に語られやすい点にも注意が必要だ。

世論調査が映す「信じたい気持ち」

ギャラップの調査では、「ほかにも関与者がいた」と考えるアメリカ人の割合は、1976年に81%に達した。2023年の調査でも65%にのぼり、「オズワルドの単独犯」と答えた人は29%にとどまる。60年たってもなお、国民の過半数が公式の結論に納得していないことになる。

オカルト研究室室長の考察

JFK暗殺が語り継がれる理由は、真相が隠されているからだけではないのだろう。世界で最も力を持つ人物が、孤独な一人の青年に倒されたという結末は、あまりに釣り合わない。大きな出来事には大きな原因があってほしいという人間の心が、陰謀という物語を求め続けているのかもしれない。2025年の公開で「全面公開」が実現してもなお疑念が消えないのは、問題が文書の中ではなく、私たちの側にあることを示しているようにも思える。

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